【それでも、生きてゆく】第5話 大竹しのぶさんの鬼気迫る独白
恨み、憎しみ、怒りで真っ黒で、人でなく鬼のようになった心の底を、問わず語りに暴きだす。
絞り出すような告白の最後に、今までの穏やかそうにしてきた暮らしを捨て、犯人に会う決意をする。
母親が子供を殺されたら人ではいられない、なのに、憎しみに取りつかれ恨にを抱えたままでは、
犯人と同じになってしまう、という恐ろしい矛盾を、犯人と対峙することで解決できるのだろうか。
瑛太さんは、満島ひかりさんとたびたび会い、いつのまにか心を通わせ急接近している。
それと同時に、風間俊介さんに対するハードルも低くなり、親近感を持っているのは否めない。
自分もまだ犯人と会っていないのに、犯人と母が会って、母の何かが救われるとでも?
あのまがまがしいほど美しい絵のように、風間さんはやはり恐ろしい存在であると知っているのに。
それにしても夜の10時に、交通手段もないような場所まで瑛太さんを訪ねてくる満島さん。
おどおどして地味な外見とは裏腹にけっこう積極的で、言外に互いの好意を打ち明け合ってるし。
しかもあの家に泊まり込むなんて非常識にもほどがあり、倉科カナさんでなくても「あり得ない」と思う。
そして大竹さんのお芝居を見ていると、なにもこのドラマは、「敵同士が愛し合ってしまう悲劇」
なんか持ち込む必要はなく、そんな恋愛話などないほうが、より深く成立するのではないかと思えます。
どういうわけか老人ホームに現れ満島さんを連れ出す風間さん、やはり更生して普通になったとは思えない。
大竹さんの「亜季を返して」とという血を吐くような訴えを聞いても、全然通じないような気がする。
風間さんと特別な関係にあったかもしれない看護師が突然行方不明になっても、風間さんの関与を、
警察も同僚もだれも疑ってみない、という能天気さは不自然すぎです。
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テーマ : それでも、生きてゆく
ジャンル : テレビ・ラジオ