「それでも、生きてゆく」第三話 大竹しのぶさんの真骨頂
ドラマ自体はどうにも辛すぎるので、大竹さん、瑛太さん、満島ひかりさんの演技を味わおうと。
しかしやはり、そこは大竹しのぶさん、あたりを払う存在感で大女優ぶりを遺憾なく発揮してます。
加害者家族にしつこい嫌がらせをしていた、それも興信所にお金を払ってまで続けていた彼女。
知り合って間もない満島さんの正体をしらないままに、娘の思い出をとつとつと語る様は、
底知れない真っ暗な心の闇を演じきってありあまるほどに、鬼気迫るものがあります。
娘がただ殺されたのではなく、それ以上にひどい目にあったのではないか、確かめもできず、
15年悶々としてきた苦しみから、ようやく真実を知り、少し解放されることができた。
しかし、彼女の深い悩みを察したのは他ならぬ満島さんであるという、なんという非情な皮肉。
それにしても満島と瑛太さんは、もうこれで会う必要がない、という場面が何度もあるのに、
どうしても縁が切れず、また一緒に行動してしまうのですが、二人の波長が合っているというのか、
妙に息がぴったりな所があり、ボケとツッコミみたいな阿吽の呼吸で、ほんと似た者同士です。
佐藤江梨子さんの誘惑をかわしながら農園で働く風間俊介さんに、正体を知る安藤サクラさんが接近。
この安藤さん、そこにいるだけでなんとも怪しい迫力を振りまいていて、存在感ありすぎです。
苦しみ苦しませてきた二つの家族が、否応なくかかわり合いはじめ、運命の糸車みたいにまわり始める。
なんだかもう、こんなのを普通に放送していいのか、というくらい、すごいドラマです。
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テーマ : それでも、生きてゆく
ジャンル : テレビ・ラジオ