「運命の人」最終回 絶望から真に再生することの痛み
過酷な歴史となお続く悲劇に、新聞記者の魂を呼び起され、自分の恥など小さいと知る。
自分が記者として破滅した事など、沖縄の現実の前では些細な小事に過ぎない。
本当の沖縄を知らずに正義を語っていた事を恥じ、名誉よりも真実を求め行動を起こす。
最後には、長く一人で待たせてきた妻・松たか子さんと再会するのだけれど、
この松さん、息子たちも自立していった家で一人暮らし、離婚もしなかった。
その測り知れない心情は、「運命の人」という事でしか説明できないのかも。
そして本木さんと空前絶後の関わり合いを持った真木よう子さん、それも運命なのか。
最後のナレーションの、今も国民に真実は知らされていないというこの現実の重み。
震災からの復興はもちろん支援したいけれど、全国各地に瓦礫を受け入れよというなら、
絆とか言って情に訴えるのではなく、セシウムの値を明確に公表すべきではないのか。
公表しないのは公表できないからなのか、それとも公表しても信用されないからなのか。
瓦礫はもちろん、食料や生活用品は言うまでもなく、国民の安全を確保しなくてどうするのか。
そこには、沖縄をそのままにしてきたのと同じ欺瞞が見え隠れする。
子供の頃、石油はあと40年しか持たないので原子力発電が必要、と聞いたけど、
石油がなくなったというニュースは未だになく、「石油は後40年」と寿命が延びた。
学生の頃東京電力は就職したいあこがれの大企業だったけど、中身はぼろぼろだと知った。
あの東京電力が大失敗した事を、他の電力会社がやりおおせるとは思えない。
それにしてもこのドラマの格調高い音楽、佐藤直紀さん、素晴らしいです。
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