「家政婦のミタ」第8話の感想 ついに過去を話す松嶋菜々子さん
何かの不幸で夫と子供を亡くしたのだろうと思っていたけれど、実はその根底には、
子供のころからの辛い体験があり、不幸の連鎖に縛られ逃れられなかった人生があった。
家事だけでなく、スポーツでもルービックキューブでもモノマネでも、とにかく万能なのは、
冷たい母親の関心を引きたいという子供心で、なんでも努力してきたからだった。
あろうことか、異母弟に邪恋をよせられ、家に放火されて夫と子供を失った。
決して笑わないのも、業務命令なら犯罪もためらわないのも、納得できてしまう不幸話だった。
長い打ち明け話の途中で、「色目ってなあに?」と幼稚園児が聞かないかとか、
寿司屋の出前がやってこないかとか、ひそかに気をもんだけど、無事に話し終わった松嶋さん。
「お暇をいただきます」と言って出て行ったけど、その表情は少しやわらいでいたと思う。
でも次回予告は松嶋さんが火をつけるという、夫と子供のあとを追うような展開だった。
予告の出し方もうまく視聴者を惹きつける作品なので、釣られるのもいやじゃない。
特に今回の冒頭、松嶋さんと相武紗季さんが入れ替わるという大サービスが夢オチだったけど、
二人の女優さんの競演ぶりが面白く、味わい深いくてにくい演出で、許せてしまいます。
あと、松嶋さんを通して、亡くなった母親に、離婚を言い渡されたショックのあまり、
子供を残して死んだ事を反省させていたのも、よしよし、と深くうなずいて見ていました。
しかし、最終回が近づくにつれ、松嶋さんが子供たちの力によって、未来や希望を見出し、
笑顔を取り戻して普通の人になっていくのか、と思うと、残念な気もするのが正直なところ。
あの冷徹な、ロボットのような松嶋さんが、日常のキッチンにいて料理しているという、
ありえない非日常のインパクトが失われるのは、ちょっともったいないような気がするので。
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