「ブラックボード」第二夜、第一夜の教師・櫻井翔さんは、いかにも戦前の教師だった。
というより、普段の櫻井さんの話し方がもう、昔風のきっちり感にあふれているのだし。
焼跡の孤児が80年代に、佐藤浩市さんの年齢になり理科教師になっているとは、
なんだか計算が合わないような気がして違和感があり、何より中学に行くのがやっとの彼が、
その後どうやって教員免許を取るまでになったのか、省略されたそのドラマが気になる。
姑に気を使い育児しながら教師を続け、やっと教頭になったら学校が崩壊している、
と嘆く浅田美代子さん、あまりに正直なその独白に、共感した女性教師も多いのでは。
不良少女と呼ばれていた伊藤かずえさんが母となったのに、娘・志田未来さんの非行には、
まったく理解を示さず逃げの一手で放置とは、いや、不良も非行も今や死語だから。
学校に放火するという大事件を起こしたのに、ちゃんと卒業できた志田さん。
「ゆかり」という役名はどうしても、「積み木くずし」を思い出してしまう。
卒業式には実に美しくなっていて、ぺたんこ靴が脱げて照れ笑いしたその姿に、
思わず涙しながら、女優としての彼女の未来が明るく開けているを見た気がした。
彼女が運んでくる味噌バターラーメンは、きっとおいしいに違いない。
校内暴力が嵐のように吹き荒れても、第一夜と違って生徒が一人も死なないのは、
なんと平和なことかと思う。
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