松本清張ドラマ「市長死す」 さすがの薄幸悪女・木村多江さん ネタバレあり
長すぎて途中だれたところもあったけど、なかなかによくできたドラマでした。
特に木村多江さんは、はまり役といった所で、ある時はかわいそうな女であり、
ある時は気が強く、あるいは上品な雰囲気だったりする、要するに悪女なんだけど。
足の悪い彼女の足元を、カメラが何度もアップするので疑っていたら、ラストでは、
スーツ姿のハイヒールでさっそうと歩きだし、新しい人生を踏み出していくのでした。
そういうしおらしさを演じて男を騙す悪女っていうのは、松本清張の得意なパターンかな。
反町隆史さんが温泉町で人探しをするのだけど、京本政樹さんに聞けばすぐわかるのに。
反町さんが二人を見つけると、すぐに警察が来て同行を求め捜査してくれる一方で、
石黒賢さんの自供に頼り、日記は証拠にならないと木村さんを追求しないって変。
そんな都合のよさを除いても、なかなかに凝った作りの面白いドラマだったと思います。
わざわざ升毅さんに商社マンの演技をして見せたり、ミスリードの演出が心憎かった。
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