宮部みゆき原作ドラマ「スナーク狩り」の感想 あともう一歩の警察
「鍵のかかった部屋」で、推理小説がドラマ化されるとトリックのほころびが見えすぎる、
とがっかりした後で、密室ものなど本格っぽいものと違って、こういうサスペンスなら、
ドラマ化すると緊迫感・スピード感が味わえてよいな、と思い直しながら見ていました。
しかし!最後のところですっごく残念だったのが、警察があそこまで事件に近づきながら、
未然に防げないし、病院の警備も信じられない手薄さで犯人にあっさりやられちゃうし。
警官を急行させる前に、病院に電話一本して、犯人を外に出さなきゃ済んだ話。
せっかくの、柄本明さんの鬼気迫る演技が、お膳立てされたものに思えて残念でした。
未成年者の犯罪や、裁判員裁判、被害届の不受理など、犯罪をめぐる話題はなお多い。
しかし、無辜の被害者家族が、怒りのあまり復讐心にかられ、新たな犯罪を生む、
なんていう悲劇を招かないためにも、公権力による極刑は必要では、と思った。
![]() スナーク狩り (光文社文庫) (文庫) / 宮部みゆき/著 |